ジェルネイルアレルギーの症状と対策|発症する前に予防しよう


今では主流になってきているジェルネイル。サロンでも、セルフでもできるようになりましたが、ジェルネイルにアレルギーがあるってご存知でしたか?
すでにジェルネイルをしているという方も、これからやってみたいという方も是非知っておいていただきたいジェルネイルについての知識の1つです。


ジェルネイルアレルギーとはどんな症状で、どう対処したらいいのか、詳しく解説していきます。

 

 

1. ジェルネイルアレルギーってどんな症状?

ジェルネイルアレルギーとは、ジェルネイルをしてアレルギー反応が出ることを言いますが、皮膚科では「接触性皮膚炎」と診断されます。アレルギー反応を示す物質に皮膚が触れることによっておこる炎症です。

主に以下のような症状が挙げられます。

  • 水疱ができる
  • 水疱が破れて膿がでてくる
  • 眠れないくらい指先が痒い
  • 赤くただれる
  • 皮が向けてくる

人によって個人差があるようですが、こういった症状が爪周辺や手指全体にジェルネイルをした数時間後や数日後に現れます。特に痒みはかなりひどいようで、寝ているうちに掻きむしってしまい出血することも。日常生活に必要不可欠な指先がそんなことになっては、仕事や家事など全く手につかなくなってしまいます。

ジェルネイルアレルギーは花粉症のように、一度発症してしまうと病院へ行って治療しても完治できないものです。そのため事前にできる限り予防するのがベスト。ジェルネイルをする前に知識をつけておくことが大切です。

 

2. ジェルネイルアレルギーの原因は?

ジェルの成分にはさまざまな化学物質が使用されており、ジェル以外でもリムーバーやクリーナーなどの有機溶剤も使います。そのため、1つの原因に特定するのが難しいのですが、ジェルネイルをするときに主にアレルギー反応が出やすいものとしては以下のものが挙げられます。

 

2.1 UVライト

UVライトは紫外線を手に当てることになるので、UVアレルギーの方が使用すると、手にアレルギーの症状がでます。

 

2.2 アセトン

アセトンはジェルリムーバーに使用される成分。オフのときにしか使用しないので、ジェルネイルをつけたときではなくオフのときにアレルギー反応が出る場合はアセトンが原因かもしれません。

 

2.3 ジェルの成分

ジェルの成分には数種類の科学物質が含まれていますが、その中の成分にアレルギー反応を示す場合もあります。ただ、ジェルでアレルギー反応が出る場合、ジェルの中のどの成分に対してなのかは特定することがほぼ不可能です。

 

2.4 ジェルクリーナー

ジェルクリーナーは、ジェルを塗る前や仕上げの拭き取りに使用します。クリーナーの成分でアレルギー反応が出るのは主にエタノールです。また、クリーナーで爪表面や未硬化ジェルを拭こうとすると、どうしても皮膚についてしまうのでアルコールアレルギーの方は注意しなければなりません。

稀に、ジェルクリーナーにもアセトンが含まれているものもあるので、購入前に成分は確認したほうがいいでしょう。

 

ジェルネイルアレルギーを発症するのは突然で、ジェルネイルを初めてして発症する人もいれば、数年は特に問題なく続けていたのに急に発症する人もいます。また、これらの原因のどれが自分に当てはまるかを断定するのは、いろいろ試して検証するしかないので、なかなか難しいところだと思います。

そんなジェルネイルアレルギーに実際になってしまったらどうしたらいいのか対処法も確認しておきましょう。

 

3. ジェルネイルアレルギーを発症したときの対処法

 

ジェルネイルをして、「あれ?もしかしてアレルギー?」と思ったら、すぐにオフして皮膚科へ行きましょう。自己判断で市販の薬を使ったりはせず、病院でしっかり治療してもらうのが一番です。

そして、一番の対処法はジェルネイルをきっぱりやめること!

正直、指先や爪がボロボロになってしまうならジェルネイルを無理して続ける必要はないと思います。マニキュアでもネイルはできるし、自爪でもしっかりケアすれば清潔感のある手元になります。

それでも、どうしてもジェルネイルがやりたいという方は、アレルギーの原因をできる限り特定して、自分がアレルギー反応を示す物質を避けることが必要です。

 

3.1 UVライトが原因の場合

UVライトが原因の場合は紫外線が問題なので、LEDライトに替えることで解決するかもしれません。LEDの光は405nm(ナノメートル)という波長のため紫外線とは違う波長になるので、UVアレルギーの人でも問題なく使える場合が多いです。ジェルもライトに合わせてLED対応のものに替えなければなりませんが、LEDライトのほうが硬化時間も早いので一度試してみる価値はあると思います。

 

3.2 アセトン(ジェルリムーバー)が原因の場合

アセトンが原因の場合は、オフするときにアセトンを使わないよう工夫が必要になります。じゃあアセトンが入っていないリムーバーを使えばいいのでは?と思われるかもしれませんが、ジェルを落とすときはアセトンが入ってないときれいにオフができません

もしアセトンを使わずオフするなら、フィルインという方法でオフするしかありません。フィルインとは、ベースジェルを1層残したままそれ以外のところを全部削り落とす方法なのですが、これはかなりの技術がいるのと、間違ったやり方をすると爪トラブルの原因になるので、サロンでやってもらうことをおすすめします

 

3.3 ジェルが原因の場合

ジェルが原因の場合はジェルの中の成分にアレルギー反応が出てしまったことになりますが、ジェルの成分には数種類の化学物質が含まれるためどの成分かを断定するのは難しいです。実際に成分表記を確認して、違う成分を使用しているジェルを使って自分の爪で検証し、アレルギー反応が出ないか試すしかありません。

ジェルの成分はどのメーカーも似たようなものを使用しているので、全くアレルギー反応が出ないジェルがあるかと言われれば、残念ながらないかもしれません。

 

3.4 ジェルクリーナーが原因の場合

ジェルクリーナーに含まれるエタノールが原因の場合は、クリーナーの成分にエタノールではなくイソプロパノールが使用されているものを試してみてください。イソプロパノールはエタノールと同じアルコールに分類されますが、エタノールがダメな方でもイソプロパノールだと症状が出ない場合があります。

実際に、病院では注射する前に消毒するときに使用するアルコールで皮膚が反応してしまう方にアルコールの代わりとしてイソプロパノールが含まれる消毒薬を使用するのだそうです。

仕上げのトップの未硬化ジェルの拭き取りについては、拭き取りのいらないノンワイプトップを使えば解決できます

 

上記以外にも、原因が分からない場合などは手指全体に保護クリームをぬってから施術する方もいるようです。保護クリームやオイルを塗ってからジェルネイルをすれば、少し症状は軽減できるようですが、ジェルネイルの持ちは悪くなってしまいます。アレルギーの原因が分からない、持ちが悪くなってもいいからどうしてもジェルネイルを続けたいという方は保護クリームを試してみてもいいかもしれません。

ただし、この方法も人によっては効果があったり無かったりなので、保護クリームを使う際もアレルギー症状が出るかもしれないというリスクを覚悟の上で試してください。

 

4. ジェルに含まれる主なアレルギー物質

ジェルの成分中のアレルギー物質を特定するのは難しいと前述しましたが、一般的にジェルに含まれるアレルギーを誘発しやすい物質とされているものがあります。
それが以下の3つ。

4.1 アクリル酸

アクリル樹脂のベースとなる原料。これに他の成分を混ぜることでジェルである光硬化性樹脂になります。

4.2 HEMA(ヒーマ)

メタクリル酸2-ヒドロキシエチルというアクリル酸モノマーの一種。ネイルの接着剤として使用されています。遅延型アレルギー性があるためHEMAが皮膚に触れてすぐにアレルギー症状が出るわけではなく、少し遅れてでてきます。

4.3 ベンゾフェノン

ベンゾフェノンは光重合開始剤として使用されるもの。この成分がジェルに入っているから、光に反応して硬化するというわけ。

これらの物質はアレルギーを引き起こしやすいとされていますが、これら以外の化学物質によってアレルギーになる場合もあります。ジェルの成分は何が入っていて何が入っていなければ大丈夫、というのは一概に言えないのです。

では、アレルギーの方でも使えるように成分にこだわったジェルブランドを6つ紹介します。

 

 

5. アレルギー対応ジェル

近年でジェルネイルによるアレルギーに悩まされている方が急増したため、最近ではアレルギーが出やすい成分をなるべく使用しないジェルというものも多くのメーカーから販売されています。そんなジェルネイルアレルギーの方でも使えそうなジェルブランドをご紹介していこうと思います。

しかし、アレルギー物質は人によって違ったり、特定するのが難しい部分があるので、これからご紹介するジェルが絶対にアレルギー症状がでないというわけではありません。もし試されるのであれば、そこを理解した上で自己責任のもとお試しください。

 

5.1 ネイルパフェジェル

出典:NAIL PARFAIT

ネイルパフェジェルはHEMA、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸を使用していない国産ジェル。ジェルアレルギーのことを考えて開発されたジェルだそうです。

プロ向けのメーカーですが、セルフの方でも購入できます。

ネイルパフェジェルの公式サイト

 

5.2 ジュエリージェル

出典:Jewelry gel

ジュエリージェルは化粧品原料のみを使用した日本製のジェル。パッチテスト済みだからアレルギーが出ないそう。←公式ウェブサイトでは言い切っていますが、保証はできないと思います。具体的な成分については特に書かれていないので、やはり実際に使用してみないと分からないところです。
カラージェルが約400色と豊富なのは魅力的。

ジュエリージェルの公式サイト

 

5.3 sacraジェル

出典:sacraジェル

sacraジェルはHEMAとアクリル酸を使用していない日本製ジェル。アジアネイルフェスティバルなどにも出典しているプロ向けのメーカーです。ベーストップは数種類ありラインナップが豊富ですが、カラージェルは少なめ。

sacraジェル公式サイト

 

5.4 トランプジェル

出典:Trump Gel

トランプジェルは強い酸・HEMA・ベンゾフェノンを使用していないジェル。「強い酸」という表現が曖昧でちょっと気になりますが。
ガスパーマブル製法という製法で、爪にカビが生えたり弱くなったりしにくいようです。

トランプジェル公式サイト

 

5.5 グレースジェル

出典:Grace Garden

グレースジェルはHEMA不使用で、プロ向けとしては珍しいノンサンディングベースジェル。オフもノンアセトンのリムーバーで落とせるそうです。アレルギー以外にも爪への負担を軽減できそうな仕様ですね。

グレースジェル公式サイト

 

5.6 グラスネイル

出典:Nail compay

グラスネイルはジェルネイルではなく爪補強に特化したネイルで、自爪を美しく健康的にするためのものです。専用の液体と粉で爪を補強していくので、ジェルネイルとは別物になりますが、自爪を育成するのが目的の場合はグラスネイルにしてもいいかもしれません。

グラスネイル公式サイト

 

 

6. ジェルネイルアレルギーを事前に防ぐためにできること

前述しましたが、ジェルネイルアレルギーは誰でも突然発症する可能性があります。そして一度発症すると治らない。

そのため、一番いいのはアレルギーにならないこと。

未然に防ぐために配慮することが必要です。ジェルネイルを特にセルフでするときは以下のことに注意しましょう。

 

6.1 皮膚につけない

冒頭でも説明しましたが、ジェルネイルアレルギーは皮膚に触れることで発症します。クリーナーやリムーバーを全く皮膚につけずに施術するのは難しいですが、ジェルはできるだけ皮膚につかないようにしましょう

ジェルネイルアレルギーになる方の多くはセルフでしていた人やネイリストの方です。ネイリストは仕事道具なので仕方ないですが、セルフでしていた人がアレルギーになるのは、やはり知識や技術不足からだと思います。確かに、最近ではジェルネイルキットで簡単に自分でできますが、事前にある程度の知識は身につけておいたほうがいいでしょう。

 

6.2 マスクをする

リムーバーやクリーナーは揮発(液体から気体となって空気中に漂うこと)するので、フタを開けっ放しにしていたりすると知らない間に吸い込んでしまいます。

また、オフのときのジェルの削りカスも大量に空気中に舞ってしまうので吸い込んでしまいますよね。気づかないうちに気管に入って、それが原因でアレルギーになる可能性もあります。セルフでする場合はもちろんですが、サロンでしてもらう場合もマスクを持参していきましょう。そして換気をしながら施術を行ってください。

 

6.3 爪周りや手に傷があるときはやらない

爪周りにささくれがあったり、手荒れがひどくて傷になっているときにジェルネイルをして傷口にジェルが付着すると、アレルギーを引き起こしやすくなります。ジェルネイルをする際は健康な手や爪の状態のときにしましょう。

 

6.4 皮膚についたときはすぐに除去する

万が一、施術中にジェルが皮膚についてしまった場合は、そのまま硬化せず、すぐにウッドスティックなどで拭ってください。毎回毎回皮膚についたまま硬化したりするとアレルギーになる確率もあがります。見栄えもきれいではないので、ジェルがはみ出たらきちんと取り除きましょう。

 

 

6.5 ジェルメーカー推奨の使い方を守る

セルフジェルネイルをしている方の多くが守れていないんじゃないでしょうか。大雑把な方だと、こんな感じかな〜となんとなくでやっている方もいるようです。ジェルネイルはマニキュアとは違い、間違ったやり方をすると爪のトラブルに繋がるケースがとても多いです。しっかりメーカー推奨の使い方を確認してから施術しましょう。

 

6.6 ジェルネイル施術後は手を洗う

ジェルネイルを施術中はアレルギー物質になりうるものに常に触れていることになるので、キューティクルオイルやハンドクリームなどで保湿する前に一度石鹸できれいに手を洗うことをおすすめします。目視では気づかない部分に付着していたりもするので、手全体についたダストやジェル、エタノールなどをきれいさっぱり落としてから保湿しましょう。

 

 

7. まとめ

ジェルネイルアレルギーを発症するのは本当に突然です。サロンへ行く方もセルフでする方も、気をつける必要があります。最後にジェルネイルアレルギーについてのポイントをまとめたので、改めて確認してください。

 

【ジェネイルアレルギーの原因】

  • UVライト
  • アセトン
  • ジェルの成分
  • ジェルクリーナー

 

【ジェルネイルアレルギーの対処法】

成分 対処法
UVライト LEDライトに替える。
アセトン フィルインとういう方法でジェルを付け替える。
ジェルの成分 成分表記を確認しながらアレルギー物質が入っていないジェルを見つける(全てのジェルにアレルギー反応が出る場合もある)。
ジェルクリーナー 施術前の爪表面の拭き取りをしない。仕上げはノンワイプトップジェルを使用する。

 

【ジェルの成分に含まれる主なアレルギー物質】

  • アクリル酸
  • HEMA(ヒーマ)
  • ベンゾフェノン

 

【アレルギー対応ジェル】

  • ネイルパフェジェル
  • ジュエリージェル
  • sacraジェル
  • トランプジェル
  • グレースジェル
  • グラスネイル

 

【ジェルネイルアレルギーの予防】

  • ジェルを皮膚につけない
  • マスクをする
  • 爪周りや手に傷があるときはジェルネイルをしない
  • ジェルが皮膚についたらすぐに除去する
  • ジェルメーカー推奨の使い方を守る

 

 


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